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復讐するは我にあり (1979) Vengeance is Mine 緒形拳主演+ロケ地

『復讐するは我にあり』は1979年今村昌平監督作品です。
タイトルから復讐劇だと思っていたのですが、なんと全国強盗殺人逃亡犯、実録映画です ( ̄□ ̄;)
佐木隆三の直木賞受賞作である同タイトル小説が原作で、「西口彰連続殺人事件」という実際に起こった事件がベースになっています。
『復讐するは我にあり』というのは聖書の文言で、”我”=”神”ということだそうです。
「復讐はするな。それは神が下す。」という聖書の教えだそうで、佐木氏は犯人のことを肯定も否定もしたくない、とこのタイトルをつけたそうです。
事実は映画より奇なり、という感じで、10歳の女の子の直感により逮捕に至ったそうです・・・驚愕 (゚д゚lll)(映画ではもうちょっと普通です)
因みにこの西口彰連続殺人事件は、「詐欺は知能型で殺人は暴力型で両立しない」という犯罪学のセオリーを覆す事件であり、戦後最悪の事件だそうです・・・(lll゚Д゚)
専売公社の集金係2名を殺害した榎津(緒形拳)。自宅には病身の母親と敬虔なクリスチャンの父親(三國連太郎)が旅館を経営し、榎津の妻子とともに暮らしている。妻の加津子(倍賞美津子)は、義父である鎮雄に心酔し、榎津は2人の関係を疑っている。警察が専売公社雇人殺しの容疑で榎津を全国指名手配にするなか、榎津は罪を重ねながら逃亡を続ける。




--------------------  以下ネタバレあるかも ---------------------------------------


実録映画ということで淡々と実際にあったであろうことを描いていています。
なので殺人の意味や動機も描いていないし、葛藤も描いていなくて、成り行きまかせにただ殺している、とう感じで怖かったです。

この榎津という男、殺人犯のくせに弁護士や大学教授を装い、詐欺や殺人を繰り返している凶悪犯です。
妙に人当たりも良く、なぜか女性にはモテモテ。
恨みもなにもない、むしろ好意的に接してくれる人に付け入り、殺して金や金目のものを奪う・・・という残忍極まりない凶悪犯を緒形拳さんが狂気をもって演じていらっしゃり、犯行時以外は至って普通のイケてるオッサンなので怖かったです。
口は達者だし、ハッタリもきくし、人の気持を掴むのが上手いし、頭の回転もいいし、犯罪犯さなければ母親の言うように偉くなれたかもしれんのに・・・
西口彰の画像をググると出てくるんですが、いかにも凶悪犯という風貌ではなく優男風で、普通にいい人な風貌で、実際女性にモテたらしいです…怖すぎる (lll゚Д゚)
西口彰ロシア語Wikiに写真がっ!)


動機は旅館の女将(小川真由美)以外はお金で、小金をコツコツ何件も。
自分勝手な理由で突発的に人を殺す、ナチュラル・ボーン・キラーという感じ。
一人殺したらあとは簡単、サクサクッ!って具合に・・・って怖すぎ。
女将は、凶悪殺人犯だと分かっても愛して匿ってくれたのに・・・って本気で殺意沸くほどでした(笑)

榎津の半生も少し辿って描かれるけど、凶悪犯になってしまった明確な理由はなかったように思いました。
一応、父親と息子の葛藤物語でしたが。
敬虔なクリスチャンで、偽善的な父親に失望するのもわかるんだけど・・・でも戦前に軍人さんに歯向かえる民間人なんてそんなにいなかったと思うし・・・
それにティーンエイジャーならまだしも、いい年したオッサンだし (´ヘ`;)
あまり触れられていなかったけど、過剰に甘やかし溺愛する、病弱な母親の闇のほうが深そうで、そこに原因がありそうな気もしたんですが、よくわかりませんでした。
映画やドラマとは違って、実際に起こる事件ってそんなものなのかなぁ、と思いました。
「神のみぞ知る」という意味でもいいタイトルなのかも。
原作小説に興味がわきました。

緒形拳さんの狂った悪役は最高です。
本作前年に撮られた「鬼畜」とはまた違う鬼畜っぷりです。
倍賞美津子さん、ミヤコ蝶々さん、小川真由美さん、清川虹子さん等女優さんたちもすばらしく(倍賞さんキレイ!)、そしてやはり三國連太郎さんですよ!
年老いて枯れて気弱ながらも、ものすごい威圧感・・・父と息子の確執の話なのであの人が頭に浮かんでしまいました(笑)。
とにかく最初から最後まで一寸たりとも気を抜く事ができない名作だと思います。

緒形拳さん、これでなんで主演俳優賞じゃないんだろう・・・と思ったら、この年は「衝動殺人 息子よ」があったのかっ!
若山富三郎さんが総ナメだった模様・・・1979年・・・恐るべき年。

ロケ地は、福岡、大分県別府温泉、長崎県五島列島、東京都雑司が谷、茨城県土浦市等です。



○別府・鉄輪温泉

引用:Wikipedia
榎津の父親が経営している五島荘がある温泉。


○堂崎天主堂・五島列島

引用:wikipedia
軍に漁船を接収されるシーン
住所:長崎県五島市奥浦町堂崎2019


○土浦駅

引用:wikipedia
劇中では浜松駅として登場。当時の土浦駅の写真がこちらのサイトにあります。
住所:茨城県土浦市有明町1-30

今村監督のこだわりで殺害シーンは、福岡と東京・雑司が谷の実際の殺害現場で撮影したんだそうです (lll゚Д゚)
浜松はお断りされたんだとか。




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復讐するは我にあり 佐木隆三著(原作小説・文春文庫)


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